「ここだよ。」
白蓮に案内され訪れた花屋。
決して大きくはないが、様々な花に彩られ、気分が穏やかになるようなそんな空気を纏った店だった。
「ちょっと待ってて!」
そう言い残し、白蓮が店の中へ消えていく。
しばらくすると、白蓮は一人の少女の手を引いて店の中から出てきた。
「雅!この子がスグリ。ここの花屋の店員さん。」
白蓮の紹介にスグリはペコリと雅に頭を下げた。
白蓮の話に出てきた、喋れない少女だ。
「で、僕がお世話になってる雅だよ。スグリ。」
白蓮の言葉に、雅はスグリに向かって右手を差し出し、微笑んだ。
「よろしく。」
スグリも同様に小さな手を差し出して、雅の手を握り、ふわりと微笑んだ。
短い紹介のあと、雅は店の中に通された。
店の中にはスグリの兄、カエデがいて、こちらとも軽い挨拶をし、お互いに店の奥にあるテーブルセットに腰を落ち着かせた。
「すいません。毎日手伝いに来てもらって。」
「いえ…白蓮も楽しんでるみたいだし……」
白蓮とスグリはといえば、二人で花の手入れをしている。
お互いに、楽しそうに微笑んでいた。
「白蓮からよくあなたの話を聞きました。とても、素敵な方だと。」
「いや、そんなんじゃ……」
白蓮は一体どんな話をしたんだろうか。
目の前のカエデが穏やかに微笑みながら言った言葉に、雅は恥ずかしくなった。
「あの、何で白蓮はここの手伝いを…?」
「…始まりは、スグリが男に絡まれているのを白蓮が助けてくれたことだったんです。それから打ち解けたみたいで……スグリは喋れませんから、接客以外ではあまり人と関わろうとしない節があったんです。でも、白蓮が来てから変わりました。もしかしたら、白蓮はスグリの心の闇に気がついたのかもしれません。」
「心の闇……」
カエデの説明に納得しながらも、雅はどこか腑に落ちない、何かが引っかかているような気分になった。
自分には、スグリよりもカエデの方が心に深い闇を持っているように感じたからだ。
雅が引っかかりに悩んでいると、スグリがカエデの服を引き、時計を指差した。
「あぁ、そうだな。すいません、配達に行かなければならなくて……」
「あ、いえお構いなく。」
席を立ったカエデは、大きな花束を持って店を出て行った。
それを見届けてから少しして、雅も席を立った。
「アレ?雅もう帰っちゃうの?」
「あぁ。あまり長居しても邪魔だと思うし。また来るよ。」
スグリに別れの挨拶を済ませて、雅は店を出た。
帰るのではなく、カエデの後を追うために。
店を出て左手の方、数十メートル先にカエデの姿はあった。
雅はつけていることがばれない間合いを保ちながら、カエデを追った。
花の配達ということは一般家庭か店、式場などが予想されたが、それに反してカエデはどんどん人気のないところへと足を進めていった。
しばらく進んだところでカエデはある建物の中へ入っていった。
廃墟のような、暗い雰囲気を纏った建物だった。
雅もカエデに続いて建物の中に入ると、廊下を進んだ先に開けた部屋があり、カエデはそこへ入っていった。
部屋の入り口からそっと中を窺い見ると、何やらあまり穏やかではない風貌の男数人がカエデの周りを囲んでいた。
カエデはその男たちと話しているようで、雅は会話に神経を集中させた。
「もうノルマは達成したはずですが。」
「そんなこと言うなよ。俺たちの仲だろ?」
「カエデ君の腕がいいからさー。もう少しお仕事頼みたいだけなんだよ。」
「俺はもう人を殺しません。」
カエデの言葉に雅は驚く。
人を殺した?カエデが?
「カエデ君の力が必要なんだよ。この通りだからさ?」
「報酬は弾むよ?」
「別に報酬が欲しくて人を殺してたわけじゃありません。契約に従ったまでです。そしてその契約はこの前終了したはずですが?」
「あーもーわかってないなぁ。」
男の一人が、面倒臭そうに頭を掻いた。
「まさか俺達もさ、カエデ君がここまでやると思ってなかったわけよ。途中で返り討ちにあって死んじゃうだろうってさ。その後は妹さんに何とかしてもらおうと思ってたんだけど。意外にカエデ君腕が立つからさー、ノルマ達成が予想外だったわけだよ。」
「それでも契約は契約です。借金がない限り今後一切貴方達と関わる義理はありません。」
借金という言葉に雅は納得がいった。
おそらくカエデは借金返済の条件として人殺しをさせられていたのだろう。
「冷たいなぁ……妹さんがどうなってもいいのかな?」
男の雰囲気が変わり、カエデもピクリと反応する。
「妹には手を出さない約束のはずですが。」
「約束ってさぁ、破るためにあると思わない?」
最低だ。
雅は心の中で毒づいた。
今すぐに飛び出してぶん殴って怒鳴りつけたい気持ちでいっぱいだった。
しかし今はそれは得策ではないだろう。
「……元から貴方達のことは信用していませんが…予想通りの下衆ですね。」
「最高の褒め言葉だよ?じゃ、今夜12時にこの場所で……」
そう言い残し、男達は去っていった。
男達の姿が完全に消えた頃、カエデは口を開いた。
「そこにいる奴、盗み聞きなんて悪趣味じゃないか?」
入り口に視線を投げかけるカエデに、雅は隠し通せないと察し大人しく姿を現した。
「…あなたか。」
「悪いとは思ってる……でも一体あんたは何者なんだ?気配は消したつもりだったけど。」
これでも裏社会で生きてきた身だ。
簡単に尾行がばれるなんてことはそうそうない。
「会話の途中で動揺が空気から伝わってきた。それまでは尾行されていることに気がつかなかったから、すごい技術だと思うよ、雅さん。」
カエデが人殺しをしていたと知ったあの時か。
雅は苦い顔をする。
「じゃぁ俺が裏社会の人間だってことはもう気づいてるな?単刀直入に聞く。何であんな奴らとつるんでる?スグリはこのこと知らないんだろ?」
「…会話にもあった通り、借金だよ。俺達の親のね。」
カエデの話によると、昔カエデとスグリの両親は子育ても仕事もろくにせず、挙句の果てにはスグリを虐待していた。
その時のショックでスグリは声が出なくなり、虐待は益々激しくなった。
このままではスグリが殺されると判断したカエデは、スグリと共に両親の元を飛び出し、二人で何とかやっていたのだという。
しかし10年ほど前に先程の男達が現れ、両親が残した莫大な借金の請求に来た。
もちろんそんな余裕のないカエデに、男達はある提案をした。
こちらが指定する50人の人間を殺せば借金はチャラにする。という提案だった。
「それで……乗ったのか。その提案に。」
「乗らなきゃスグリに被害が及ぶ可能性があったからな。50人…犠牲になってくれればスグリは守れると思った。バカだよ俺は。」
あいつらが約束を守るような奴らじゃないとわかっていたのに。
「…それで、どうするんだ。まだ、殺すのか?」
さっきの内容によればカエデはまだ殺人を依頼されている。
できることなら止めてやりたい気持ちでいっぱいだった。
「殺さないよ。殺してもメリットがない。」
「でもスグリは……」
「今夜、決着をつけるさ……それと………」
カエデはどこか切なげに微笑んでいた。
その日の夜、雅は買い物に行けなかったことと白蓮がスグリの所でご馳走になることもあって、珍しく食堂で夕食をとることにした。
そこにはいつものメンバーが勢揃いしていつものように他愛のない会話をしているのだが、今の雅はそれどころではなかった。
最後にカエデに言われた言葉。
『こんなこと頼める義理じゃないのはわかってる。けど…もし俺に何かあったら、スグリのことを頼めないか?白蓮のことも好いてるみたいだし……頼む。』
カエデは今夜、何をするつもりなのか。
決着をつけると言っていた。
雅は激しい胸騒ぎに襲われていた。
「雅?どうしたの?」
隣に座っている流が雅の異変に気がつき、心配そうに顔を覗き込んでくる。
「いや、ちょっと……」
「雅、隠し事はしないって……」
「わかってる。でも今回は俺のことじゃないから………」
「自分のことじゃなくても悩んでるでしょ、雅は。」
ちゃんと説明するまで問いただそうという勢いの流に、雅はうーんと唸る。
「例えば……流の大切な人を守るために、今まで関わってた悪い奴らと決着をつけるのに、流だったらどうする?」
「俺の大切な人は雅以外にありえないから雅を守るためだったらそいつらぶっ殺すか再起不能にさせて手を切るよvvv」
「悪い、聞く奴間違えた。」
流にこの手の質問をしてもすべて同じ答えになるのは目に見えていた。
そこで雅は希羅達にも同じ質問をしてみた。
「また随分と実感の湧かない質問ね……」
「だよな………」
「は?そんなのそいつらブッ倒せばいいじゃん。」
「そしたら大切な人が危険な目に遭うんだろ。」
「じゃぁ逃げれば?」
「それじゃ決着つけたことにならないんでしょ……まぁそれも一つの手だとは思うけど。」
「でもそんな感じじゃなかったんだよな………」
カエデの様子は逃げようとか、殺そうとか、そういう感じのものではなく……
「まさか…死ぬ気、か?」
でもそれではスグリが危険に……いや、だからこそ、俺に…白蓮にスグリを託したのだろうか。
「ていうか雅はさっきから誰の話してんだ?」
「まさか……男!!!???」
ガタンッ!と豪快な音を立てて立ち上がり、雅の両肩を掴む流。
「落ち着け!!違うから!!!!」
面倒なことになりそうだったので思わず嘘を吐く雅。
信じてくれたのかどうかはわからないが、軽い攻防の末にとりあえず流は解放してくれた。
この一悶着のせいで話題はあやふやになってしまい、皆と別れて自室に戻ることとなった。
部屋に白蓮はまだ戻っていないようだった。
雅はもう一度、カエデのことを振り返ってみる。
スグリと白蓮の出会いを話している時は、とても嬉しそうで、でもどこか切なげで。
そしてスグリのことを自分に頼んだ時は、何か危ういものを感じた。
雅はふと、部屋の時計を見上げる。
時刻は10時過ぎ。
あの男達との約束は12時。
今から行って止めにいけば間に合うだろうか?
思い立ち、雅はすぐに部屋を出た。
そこへちょうど白蓮が帰ってきた。
「あれ?雅…刀なんか持ってどこ行くの?」
「あぁ、ちょっと出かけてくる。先に休んでていいからな!」
「えっ!?雅!!?」
駆け出す雅を止めることもできず、白蓮は戸惑いの声を上げた。
雅が花屋に着くと、やはり店は閉まっていた。
しかし、裏の方に明かりが灯っており、そこが住まいになっているのだと気がついた。
雅は刀を店の前に立て掛けて、裏に回りこんでドアをノックした。
しばらくすると中からスグリが姿を現した。
「カエデはいるか?」
雅の質問にスグリは首を横に振る。
遅かったか、と内心舌打ちをする。
只ならぬ雰囲気を感じ取ったのか、スグリが不安そうな顔をする。
「夜遅くに悪い。いないなら、また明日にでも来るよ。」
おやすみ。と、できる限りの笑顔で言って、スグリと別れた。
刀を手に、再び雅は駆け出した。
カエデがいるであろう、あの廃墟に。
途中何度か道がわからなくなりかけたが、何とか廃墟まで辿り着くことができた。
時刻はおそらく11時を回っている。
雅は乱れた息を整えて、廃墟へと足を踏み入れた。
昼間と同様に、入り口から中の様子を窺うと、既にカエデと男達が対峙していた。
12時の約束じゃなかったのかよ!と文句を言いたくなるが今はそんな場合ではない。
雅はカエデ達の会話に神経を集中させる。
「答えは変わらないんだね?カエデ君。」
「あぁ、俺はもう殺さない。」
カエデは、男達の要求を断ったようだ。
口調も昼間とは違い、敬語ではなくなっている。
「妹さんを見捨てるのかな?」
やはりスグリのことを引き合いに出してくる男達。
しかしカエデは動じなかった。
「妹は見捨てない。俺は、今日、自分の過去を清算しに、ここに来たんだ。」
カエデは懐からナイフを取り出した。
おそらくそれがいつもの得物なのだろう。
男達もカエデの行動を予測していたのか、動じることなくニヤニヤと笑っていた。
「カエデ君が優秀なナイフ使いってことはわかるけどさぁ。文明の利器は利用するべきなんじゃないかな?」
卑しい笑みを浮かべながら、男達は各々拳銃を取り出した。
それを見たカエデは姿勢を低くし、突っ込んでいく体勢をとる。
そこで雅は悟った。
カエデは、あいつらを殺し、そして…自分も死ぬ気なのだと。
それがスグリを守り、自分の過去を清算する結果へと繋がる。
しかし拳銃とナイフでは、圧倒的にカエデの方が不利だ。
今までこういう修羅場は何度も潜り抜けてきたのだろうが、やはり放っておくわけにはいかない。
雅は入り口から飛び出すと、男達に突っ込んでいくカエデの前に立ちはだかり刀でナイフを受け止めた。
「あんた……!!!」
「お前に…もう人は殺させない!!」
突然現れた雅に驚き、カエデは目を見開く。
男達も驚いたようで、銃口を雅へと向けた。
「なんだこの姉ちゃん。カエデの女か!?」
雅は男達の言葉に反応することなく、カエデのナイフを弾いた後に流れるように男達の持っている銃を斬りおとし、使い物にならなくさせた。
「てめぇら……汚い真似すんのもいい加減にしろよ。カエデはお前らの要求をきちんとこなしたんだ。だったら約束どおりカエデを解放すんのが筋だろうが。」
雅は男達を睨み据えて言葉を紡ぐ。
しかし相変わらず男達はニヤニヤと笑ったままだ。
「約束?子供じゃあるまいしんなもんきちっと守るわけねーだろ?」
男達に雅の言葉を聞く気はないようだった。
予想はしていたので雅は黙って刀を構える。
その時、誰かに刀を握っている手を掴まれた。
カエデだ。
「カエデ……?」
「手出しすんなよ。これは俺の問題だ。あんたは関係ない。」
カエデはどこか怒っているようだった。
しかし、雅も引き下がるわけにはいかない。
「それはわかってる!でもあんたにもう人殺しはして欲しくないんだよ!!もうこれ以上手を汚すな。それに……あんた最後に死ぬ気なんじゃないのか?」
雅の言葉にカエデはピクリと反応する。
「……例えそうだとしても、あんたに助けてもらう理由はない。確かにスグリのことは頼んだが…俺のことは頼んでない。」
「じゃぁ俺はお前を助けるという理由で戦わない。俺は、スグリを助けるために戦う。」
カエデは予想もしていなかった雅の言葉に再び目を見開いた。
カエデの力が緩んだ隙に、雅はカエデの手を振りほどき、男達へ向かっていった。
結果は歴然で、雅の圧勝だった。
リーダー格の男を残して全員を気絶させた後、雅はその男の首元に刀を突きつけた。
「これ以上カエデに付きまとったら今度はただじゃすまさねぇ。わかったな?」
男がガクガクと首を縦に振ったのを確認すると、雅はその男も眠りの世界へ誘った。
「……あんた、強いんだな。」
雅の戦いを呆然と見つめていたカエデが呟いた。
「そんなことねぇよ。」
「……俺のやること、なくなっちまったな。」
「あ…いや……悪い………で、でもだからって死ぬなよ!?お前が今一番やらなきゃいけないことはスグリのために生きることなんだからな!!!?」
はっと気づいたように捲くし立てる雅。
その様子にカエデは一瞬笑い、すぐに自嘲気味な笑みへと変えた。
「俺は…人を殺した俺は、生きていいのか……?」
「いいんだよ。」
優しい声で。
「だって、俺だって生きてる。」
雅は困ったように笑った。
「あんた………そうか。」
何かを悟ったように、カエデも困ったように笑った。
「流とは違うタイプの奴ね。」
「優男?」
「まともそうだよな。」
後日、カエデを見た希羅、慶、竜臣の反応。
今日は雅がスグリとカエデを自分の部屋に招待していて、一通り自己紹介を終えた後、自室に篭ったままだ。
「雅……やっぱ男だったんじゃんなんで嘘吐いたの………」
そんな3人の横で1人、流は沈んでいた。
カエデに殺意満載のオーラを送ったところ雅に部屋を追い出された結果だ。
「あの人なら雅を幸せにしてくれそうだよな。」
「花屋だろ?平和でいいな。」
「まぁ、流と一緒になるよりは平和でしょうね。」
そんな流に追い討ちをかけるかの如く、普段の恨みを晴らすかの如く、3人は会話を進める。
「……こうなったらあいつの帰りを狙うしか………」
3人の会話を聞いているのかいないのか危ない発言をする流。
そこへ噂の雅とカエデ、と白蓮とスグリが来た。
「何やってんだ?お前ら。」
「いや、ちょっと……」
雅の将来の話をしていたなんて説明できるはずもなく言葉を濁す奇羅。
ふーんと特に疑問に思うこともなく雅は言葉を続けた。
「皆に報告があるんだ。」
その言葉に今まで沈んでいた流がガバッと起き上がった。
「雅!!俺の何がいけないのそんな奴より絶対俺のほうがいいって!!!ね!!!!」
流のいきなりの発言にきょとんとする雅。
「何言ってるかわかんないぞ。」と軽く流し、雅は話を続けた。
「白蓮が、独り立ちするんだ。」
雅の言葉にポカーンとなる一同。
気づいていないのか、構うことなく雅は続けた。
「スグリとカエデのところで一緒に花屋やるんだって。な?」
と、後ろの白蓮に振り返る。
そこには白蓮とスグリがいて。
2人は仲良く手を握っていた。
「うん。いつまでも雅のお世話になるわけにもいかないし。」
「へ?くっついたのってそっちだったのか?」
慶の言葉に周りも現実に戻ってきた。
「意外な組み合わせだな……」
「まぁありえなくはない話よね……いえ、それよりもそれは独り立ちと言うのかしら?」
「ていうか白蓮って雅の事好きだったんじゃないっけ?」
その言葉に白蓮はえーっと…と、困ったように笑う。
「雅のことはもちろん好きだよ?でも、今一番守ってあげたいのはスグリなんだ。」
最後のほうは照れたように笑った。
「雅!!良かった!雅じゃなくて!!!!」
復活した流が思いっきり雅を抱きしめる。
「だから意味わかんねぇって。」
「わかんなくていい!わかんなくてもいいから!!!」
「はあ?」
「…愛されてるんだな。雅さん。」
最後にポツリとカエデが呟いた。
白蓮が雅の部屋からいなくなった。
今まで2人で共有していたスペースに1人はやはり広く感じる。
そして流との喧嘩もすることもない。
「いなくなったらいなくなったで寂しいもんねぇ……って思うはずよね?普通。」
雅の部屋に来ていた希羅は横へと視線を移す。
「何で引っ越していないはずのあんたが次の日に雅の部屋に来てるわけ?」
隣にはニコニコと白蓮が座っていた。
「だってスグリが雅にお菓子作り習いたいって言うから。」
白蓮の言葉通り、雅は今スグリにお菓子作りのレクチャー中だ。
白蓮が毎日通っていたくらいなので花屋と宿舎間の距離はそんなに遠くないのだ。
「これって大して今までと変わらないんじゃない?」
希羅の呟きは楽しそうな3人には届かなかった。
あとがき
白蓮の独り立ちの話なのに雅とカエデの話になった。(・∀・)