ホラーハウス


キィンッ キィンッ

辺りに響く金属音。
2つの金属はぶつかり合い、時折火花を散らしている。
その金属を操っている2つの影。
2つの影はまるで舞うように金属を操っている。
金属とは刀。
影とは希羅と雅。
2人は刀で手合わせをしていた。
この前の一件で同じ境遇の人間もいるものだ。と、2人は意気投合したのだ。
そして、同じ刀使いとして、たまに手合わせするようになった。
「さすがだな、希羅。まだ余裕じゃん。」
「そっちもでしょ。」
お互いに間合いを取り、刀を構えなおす。
「やっぱりここに来てよかったぜ。ここには強いやつがうじゃうじゃいる。」
「そうでもないと思うけど。」
「今まで戦ってきたやつらよりはぜんぜん強いぜ。あんなザコどもといつまでも遊んでられねえっつうの。」
「それもそうね。」
そして2人は再び刀をぶつけ合う。
しかし勝負はいつまでたっても決まらない。
否、決まったことなどない。
同じ力量のもの同士が戦っているのだから当然といえば当然。
どちらかの体力が尽きるまでは決着はつかない。
しかしどちらとも、並大抵の体力ではない。
結局、勝負など決まらない。
ただ単に、刀を交えることを楽しんでいるだけ。
「そろそろやめましょうか。」
「ああ、そうだな。」
刀をぶつけ合ってどれぐらいの時間がたったのだろうか。
おそらく2時間はゆうに越えているだろう。
それでも2人の息は上がっていない。
怪物とでも言うべきか。
「み・や・び〜vやっと見つけたv」
ふわりと、雅を包み込むようにして雅を抱きすくめる男。
そんなことをするのは1人しかいない。
「は・な・せっ!!!このやろ――!!!!!!」
流の登場にものすごい拒絶反応を起こす雅。
拘束された体で、一生懸命に流の手から逃れようと暴れている。
「ちょっと、放しなさいよ。」
そこに、希羅が流に刀を向けながら食って掛かる。
「君には関係ないでしょ〜。」
「雅が困ってるじゃない。」
「照れてるだけだよ。」
それを人は「都合のいい解釈」という。
「つか、お前何しに来たんだよ。」
流が希羅に気をとられている隙に手から抜け出し、少し離れて問いただす。
「(チッ)そうそう、仕事が入ったよ。2人とも。」
「仕事?」
「また変な仕事じゃないでしょうね・・・・・・」
「さあ?俺は2人を連れてくるようにって言われただけだから。」
「結局行って話を聞かないと分からないのよね・・・・・・・・」
いつものパターンに呆れの声を漏らす。
「まあしょうがねえだろ。行くか。」
そして3人は自分たちの我侭上司のもとへ向かった。


「やあ、よく来てくれたね。」
いつもの輝かしい笑顔で、遥霞が3人を出迎える。
「来なくても無理矢理つれてくる気だったくせに。」
「俺の命令にそむいたらどうなるかということぐらいわかってるだろ?
「恐えぇ・・・・・・・」
「おそらく1番怒らせてはいけない人だね。」
遥霞の笑顔での脅迫に恐怖を覚える2人。
「ところでメンバーは3人なの?」
「竜臣も呼んだんだけどなぁ・・・・・・」
「また逃げたのね、あいつ・・・・・・・」
毎度毎度懲りないやつだ。と、ため息をつく。
そして次に大きく息を吸い込む。
このくそ童顔見た目15歳野郎!!!こそこそ隠れてないで出てきなさい!!!!!!!!
希羅が叫ぶと、向こうの方からドドドドドドッ!!!!という何かが走ってくるような音がし、次いで、
バンッ!と荒々しくドアを開ける音。
誰が童顔だと・・・・・・・?しかもこそこそなんか隠れてねえ・・・・・・・・・
竜臣がものすごい剣幕で希羅に詰め寄る。
「すげえな。」
「一体聴力いくつなんだろうね。」
竜臣の出現に疑問を覚える雅と流。
「はい、これで全員そろったわよ。」
竜臣の発言は無視して、遥霞にメンバーがそろったことを告げる。
「じゃあ仕事の話をはじめようか。」
無視すんなぁ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!
竜臣は横で叫ぶが、またもや4人に無視され、4人は仕事の話をはじめるために部屋の奥へと進む。(悲)
「さて、今回の仕事なんだけど・・・・・・」
遥霞が静かに話し始める。
「最近、ある建物に入った人たちが行方不明になるという事件が多発してきている。」
「なんかの怪談かよ・・・・・・」
「そう、まるで何かの怪談話みたいだろ?」
雅の発言に遥霞はおかしそうに笑う。(笑い事ではないと思うが)
「で、その建物に行って行方不明者の生死の確認および生きていたら救出して欲しいんだ。」
「それって何人ぐらいいるわけ?」
「7,8人くらいだよ。」
「それくらいだったら別に助けなくてもいいんじゃ・・・・・」
「これから被害が拡大したらそれこそ大変だろ?」
「根源を直接叩くわけね・・・・・・」
「それだったら別に4人以下でも大丈夫なんじゃ・・・・・」
「それが・・・・・」
遥霞が急にまじめな顔になる。
つられて4人も、真剣に遥霞の目を見つめる。
「建物のつくりが複雑になってて少数じゃ危ないかなぁーと思っただけだよ。」
明るく言う遥霞に4人はずっこける。
「かなぁーって・・・・・・・」
「多いにこしたことはないだろ?それに君達の相性も分かるわけだし。」
「あっそう・・・・・」
4人は言い返す気もうせたのか、ぐったりとした様子で話を聞く。
「で、これがその建物の場所と地図。なんか不思議なことが起こると思うけど君達なら大丈夫だよね?」
「不思議なこと?」
「ここ、心霊スポットとして有名なんだ。」
「あー、だからこんなところに入るやつがいるわけ。(つーか俺と流護り屋なんだけどなぁ・・・・)」
「そういうこと。じゃ、お願いね。あ、見つけた人達はちゃんとここに連れてきてね〜、全員。」
4人はすばらしい笑顔に見送られ、仕事をするために建物へ向かった。


「ここか?」
「ここね。」
「ここだよな。」
「いかにもって感じだねー。」
4人が今立っている場所は問題の建物。
それは大きな屋敷だった。
3階建てぐらいだろうか。
誰かがすんでいる気配はなく、どんよりとした空気に包まれ、心霊スポットにはもってこいの場所だ。
「じゃあ、入る?」
「竜臣、恐かったら帰っていいのよ。」
「誰が恐がってるだと!!!??」
「あ、竜臣って20歳なんだっけ。あまりにも子供っぽい顔してるから忘れてたわぁ。」
「なにをぉ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」
「くだらないことやってないで早く仕事終わそうぜ・・・・・」
2人の小学生並の言い争いに、雅はうんざりした様子でことを促す。

ギイィィィィッ・・・・・・・・

古く、重量感のある扉を開くと、そこにはまだ外は明るいというのに、薄暗く、埃っぽい広い廊下が続いていた。
4人は廊下を進んでいく。
後ろで静かに扉が閉まった。
外からの光がさえぎられると、中は本当に暗闇と化した。
「流。」
「ん?なあに?」
雅のちょっとどすのきいた声で呼ばれ、流はとぼけるように返事をする。
「手、どけろ。」
自分の腰にまわされた手をつねりながらいう。
「俺じゃないよ。竜臣じゃない?」
「ハァ!?俺じゃねーよ!!」
流に罪を擦り付けられ、竜臣は弁解する。
「大丈夫だ、竜臣。お前じゃねえ。第一お前が俺にこんなことしたらお前燃やされるぞ。」
雅の言葉に、ぞくりと、背筋に冷たいものが走る。
「俺そんなに野蛮じゃないよ?」
「うそつけ。いいから早く手どけろ。」
「せっかく暗いんだから別にいいじゃない?」
「腕、斬りおとしていいか?
「・・・・・・・・・」
腕に冷たいものが軽く当たり、渋々といった感じに流は雅を開放する。
「ちょっと、こんな暗くちゃ仕事しようにもできないじゃない。」
「大丈夫だ。流。」
「はいはい。残念だったなぁ・・・・・・」
そういうと流は炎を出す。
「慶と同じ能力・・・・・?」
流の力をみて、竜臣は似たような能力を持った男を思い出す。
「んー・・・・ちょっと違うけどね。まあ、どうでもいいや。」
いいのかよ。
流のいいかげんな態度に突っ込みを入れる竜臣。
なかなかいいコンビかもしれない。(えっ)
「あ、ランプあるわよ。」
4人はそれぞれ、流の炎でランプに火をともした。
「これでもまだちょっと暗いな。」
「しょうがないだろ。大体の場所がわかればいいし。」
そして4人は先へと進んだ。

「なあ、この屋敷の部屋全部見て回るのか?」
竜臣が、遥霞から渡された地図を見ながらいう。
「そんな時間あると思ってんの?」
「だってどこに行方不明者がいるかわからないだろ。」
「怪しそうな部屋に行けばいいのよ。」
「怪しそうな部屋・・・・・・・」
そんなのどうやって見分けるんだ。と、心の中で竜臣はつぶやく。
「この部屋とか怪しそうじゃね?」
雅が示した部屋には錠前の鍵がかかっていた。
「他の部屋はこんな立派な鍵付いてなかったしね。」
「じゃあここにする?」
他の3人がうなずくのを確認すると、希羅は刀で錠前を斬った。
ゴトリと鍵が床に落ちる。
希羅が扉に手をかけると、扉はあっけなく開いた。
部屋の中にはカードゲームをするような机が1つだけあった。
「・・・・・何これ。」
「こっちが聞きてえよ。」
「ほかに家具もないな・・・・・」
「はずれ、かな?」
4人が中に入って部屋の中を確認する。
これといって変わったものはない。(カードゲームの机がある時点で少し変わっているが)
しかし4人が机のそばに行くと、急に開けておいた扉が閉まった。
「あっ・・・・・・」
「閉まったな。」
「閉まっちゃったね。」
「鍵、あかねえぞ。」
雅がガチャガチャとドアノブをひねるが開く様子はない。
すると、机がライトで照らされた。
4人がいる反対側のほうには1人の男が立っていた。
「ふふふ・・・・・また来たか。最近はよく客がくるものだ。」
「「「「は?」」」」
いきなり怪しすぎる男の登場で、しかも意味のわからないことをいわれ、「なんだこのおっさん。
という感じに4人は間の抜けた声を出す。
「さあ、今日はゲームを楽しんでいってくれたまえ。」
「なあ、どうやってこっから出る?」
「ドア薄そうだし、ぶっ飛ばせるんじゃないの?」
「鍵も開かないしそれしかないよね。」
「早く仕事終わらせたいしな。」
無視は止めたまえ、君達。
怪しい男の登場で、お得意のシカト攻撃でかわそうとしたが、どうやら簡単には帰してくれないらしい。(当たり前)
「俺達、あんたと遊んでる暇なんてないんだけど。」
「安心したまえ。1度このゲームをしたら止められなくなるぞ。」
「それってどういう意味?」
希羅が男に訝しげな視線を向ける。
「どういう意味、とは?」
「ゲームにやみつきになるのか、ゲームで死ぬのかってことだよ。」
竜臣が希羅の言葉の続きを紡ぐ。
「さあ?それはあなた達しだいです。」
男はにやりと笑い、1つのデッキを取り出す。
「これが私のデッキ。あなた達のは机の上においてあります。このゲームに勝てばこの部屋から出して上げますよ。」
「ドア破った方が早そうだな。」
「じゃあ俺が吹き飛ばす。」
だから無視は止めたまえ、君達。
2度も無視され、ちょっと哀しくなりながらも苛立ちをあらわにする怪しい男。
「ちなみにドアはどんなことをしても壊れませんよ。ためしに1度やってみたらどうです?」
余裕の笑みを向けられ、むっとした雅はドアに大きな風をぶつける。
しかし、大きな音はしたものの、ドアが壊れた気配はない。
「いったとおりでしょう?それと私への攻撃も無意味なのでご了承ください。つまり、カードゲームで私を倒すしかないんですよ。」
「やるしかないか・・・・・・・・・・」
流の一言で、4人は机の前に並んだ。
「デッキ、1つしかないぜ?」
「そちらは4人1組で戦っていただきます。ターンごとにカードを引く人を変えて下さい。最初の持ち数は5枚です。」
「なるほど。」
4人はそれぞれ5枚カードを引いて、自分が引いたものを確認する。
「それでは、はじめさせていただきます。最初は私のターンからです。」
男はカードを1枚引くと、2枚のカードを裏に伏せて並べ、1枚のカードを出した。
「私のクリーチャーは『ゴースト・ナイト』です。言い忘れましたが、自分のクリーチャーが受けたダメージは自分に返ってくるので、
クリーチャーの死は己の死を意味します。これで私のターンは終了です。」
カードから騎士の幽霊のようなものが出てくる。
立体映像だろうか。
男のターンが終了し、まず最初に4人は自分たちのクリーチャーを出し、そして竜臣がカードを引く。
竜臣のターンだ。
「・・・・俺のターンってことはあいつに攻撃してもいいんだよな。『ゴースト・ナイト』に攻撃。」
竜臣のクリーチャー、『シルバーウィングドラゴン』が攻撃を仕掛けようとしたとき、男が伏せていたカードの1枚を裏返した。
「防御カード『ヘルメスの盾』発動。」
男のクリーチャーの前に巨大な盾が出現し、竜臣の攻撃を無効化する。
「うわっ、汚え!!」
「これがカードゲームでしょ。」
竜臣の一言に希羅が呆れのまなざしをむける。
男がカードを引くと、自分のクリーチャーの防御力を上げてターンを終了した。
「じゃ、次は俺のターンだな。」
雅はカードを1枚引くと、自分のクリーチャーの攻撃力を上げて、男のクリーチャーに攻撃を仕掛ける。
「トラップカード『スリーピング・ビューティ』」
男が伏せていたカードを裏返すと、雅のクリーチャーが倒れる。
と同時に、雅もその場に崩れ落ちる。
「雅!!?」
「寝てる・・・・・・」
希羅が雅の息を確認すると、静かな寝息が聞こえた。
「スリーピング・ビューティ・・・・・・眠り姫か。」
竜臣が男が言ったカードの名前で雅がこうなったことに納得する。
「そのトラップを解くにはあなたたちの誰かが『目覚めの口付け』のカードを引かないと彼女は永遠に眠り続けたままです。
 ゲームが終了してもね。」
男が雅の姿を見てくつくつと笑う。
それに流がブチ切れた。
てめえは俺がぶっ殺す。
かなりどすのきいた声で、男を視線で殺す勢いで睨みながら流が言う。
「恐えぞ、あいつ。」
「雰囲気変わったわね。(つーか変わりすぎ)」
流の豹変振りにマジでびびる竜臣と希羅。
「それもいいですけど、私を倒さなくては意味がありません。次は私のターンです。」
男が1枚カードを引き、1枚のカードを伏せると、希羅のクリーチャーに攻撃を仕掛けてきた。
「きゃぁ!!」
男がいったとおり、希羅のクリーチャーが受けたダメージが希羅に返ってきた。
「大丈夫か?」
「ててて・・・・・大丈夫。攻撃力はそんなに強くないみたい。」
「さあ、次はあなたのターンですよ。」
男が希羅を見て、笑いながらいう。
希羅はカードを1枚引き、考える。

下手に攻撃してもあの伏せてるカードにやられちゃうかもしれないし・・・・・でもさっきのはかなりむかついたし・・・・・・
でも感情で動くのはよくないわよね。ここは流のクリーチャーの攻撃力と防御力を上げるべきかしら。

希羅は1番攻撃力と防御力の高い流のクリーチャーの攻撃力と防御力を上げると、ターンを終了した。
「このカードを警戒していますね?しかし攻撃を仕掛けないと私を倒すことはできませんよ?」
てめえは黙っとけくそ野郎。
流の一言で男は押し黙る。
仲間の立場の希羅と竜臣も早くこの場から逃げ出したい思いだ。
「・・・・・では私のターンですね。シルバーウィングドラゴンに攻撃。」
男のクリーチャーが竜臣のクリーチャーに攻撃を仕掛ける。
竜臣もその分だけダメージを受ける。
ふふふ・・・・・やっと俺のターンだね・・・・・・」
流が怪しい笑みを浮かべ、カードを1枚引く。
カードを1枚伏せて自分のクリーチャーの攻撃力を上げると男のクリーチャーに攻撃を仕掛ける。
「無駄ですよ!」
男は伏せていたカードを裏返す。
流の攻撃が返ってきたが、流も同じカードを持っていて伏せていたカードを裏返す。
男にダメージを与える。
攻撃力がだいぶあがっていたので、ダメージは結構大きい。
絶対に殺してやる・・・・・・・許さねえ。たとえ死んでも許さねえ。
男が大きいダメージを受けたのをみて流はにやりと笑いながらつぶやく。
「希羅〜・・・・・・あいつが1番恐えよ・・・・・・」
「耐えるしかないのよ・・・・・」
流を見て2人は人生最大の恐怖を覚えながらゲームを進める。
「で、では私のターンです。『光のくの一』を『アリスの小瓶』で攻撃。」
男はカードを引くと、希羅のクリーチャーを攻撃する。
すると、希羅のクリーチャーが小瓶に閉じ込められる。
そして希羅も小瓶に閉じ込められて床に転がる。
『ちょっと!なんなのよ、これ!!!』
「おおっ!!?希羅が小さくなった!!!!??」
「あらら。これじゃまるで不思議の国のアリスだね。(これが雅だったら凄く可愛いんだろうなぁ)」
竜臣は踏まないように希羅が入った小瓶を机の上にのせる。
「さあ、次はあなた達のターンですよ。」
竜臣がカードを1枚引く。

あいつにはもう伏せカードはない。攻撃しても大丈夫だよな。

「『ゴースト・ナイト』を攻撃。」
竜臣のクリーチャーが男のクリーチャーを攻撃する。
男のクリーチャーがダメージを受ける。
クリーチャーのライフポイントが半分以上減った。
次のターンで男が回復しないかぎり、流のターンで男を倒すことができる。
男に焦りの色が見え始めてきた。
男がカードを1枚引く。
しかし良いカードがないのか、考え込んでなかなかターンを終了しない。
「カード出さないんだったら早くターン終わせよ。」
「こっちには時間がないんだからさ。」
「・・・・・・ターン終了です。」
男は何もしないまま、ターンを終了する。
流がカードを1枚引く。
『アリスの救出』で希羅を小瓶から開放し、攻撃力を上げて男のクリーチャーを攻撃する。
男のクリーチャーはあっけなくやられた。
同時に、男も倒れる。
「死んでる・・・・・・・」
「で、どうやって雅を助けるのよ?」
いまだに眠り続けたままの雅を見て、3人は考える。
「確かあいつ、ゲームが終わっても目覚めることはないとかいってたよな。」
「ええ、そして『目覚めの口付け』とかっていうカードが必要。」
「今俺のターンが終わって、あいつ死んじゃったから次のターンは・・・・・」
2人の視線が竜臣に行く。
「お、俺・・・・?」
「責任重大ね。」
「このターンでカード当たらなかったら俺、君のこと殺しちゃうかも。
「(うわっ!!やりかねねえ!!!!)」
竜臣は手先に全神経を集中させる。
そして、カードをゆっくり引く。
引いたカードは・・・・・
「『目覚めの口付け』・・・・・・(助かった・・・・・)」
「で、どうやったら雅は目覚めるの?」
「えーと、このカードを引いた者が『スリーピングビューティ』のトラップにかかった者に口付けをすることによって
トラップは解かれる・・・・・・」
流がカードに書かれた文章を読み上げた瞬間、固まる。
「なっ、な・・・・・・・/////」
「カード名そのまんまね。」
「へえ〜、ふ〜ん。」
流が竜臣のことを笑顔で睨む
「(殺される!!!!/泣)」
急に、竜臣の頭が下に押される。
「っ希羅!!何を・・・・・!!!」
「早くあんたがキスしなきゃ雅が目覚めなくて先に進めないのよ。早くしなさい。」
お前は俺を殺す気か!!!?んなことできるか!!!」
「あら、雅みたいに可愛い子が初めてなんてラッキーじゃない。」
「そりゃ初めては可愛い子がいいけど・・・・・って!何言わすんじゃ!!!!」
いいから早くしなさい。
希羅がぐいぐいと竜臣の頭を押す。
竜臣の顔がどんどん雅の顔に近づいていく。
そして、竜臣の顔が雅の顔に近づくのに比例して、流の殺意が強くなっていった。
「だ――――!!!!ちょっと待て!!間接じゃダメなのかよ!!?」
竜臣の言葉に希羅の手が止まる。
「あー、そういう手もあったわね。でもそれで目覚めなかったら結局キスしなくちゃいけないことになるけど。」
竜臣は願いをこめて、カードに口付ける。
そしてその口付けたところを、雅の唇に持っていく。
(頼む!目覚めてくれ〜〜〜〜〜〜!!!!)
しばらくの静寂。
3人は雅の姿を見つめる。
すると、雅の目がゆっくりと開かれた。
そして、起き上がると一言。
「何やってんだ?お前ら。」
3人に見つめられていたことに訝しげに視線を向ける。
「た、助かった・・・・・・・」
「雅〜〜〜〜〜〜vvvv」
「一時はどうなるかと思ったわ・・・・・」
雅が目覚めたことに、ほっと胸をなでおろす3人。
「??????」
雅には訳がわからない。
「さてと、雅も目覚めたことだし、先を急ぎましょうか。」
希羅が立ち上がりながらいう。
「出口は?」
「最初のドアから出られるんじゃないのか?」
しかし、ドアは開かない。
「あの男うそつきやがったのか?」
「どこかに出口があるんじゃないの?」
4人は出口を探し始める。
部屋の隅から隅まで。
しかしどこにも出口らしきものは見つからない。
「どうする?」
「またドアに風ぶつけてみるか?」
「あ、俺こんなのみつけたんだけど。」
流が1枚の紙を取り出す。
そこにはこう書かれていた。
『熱くて熱くて悲鳴をあげる者。その者が真の扉を知っている。』
「何だこれ?」
「なぞなぞ?」
「『熱くて』ってところから人ではないことは確かだよね。」
流の言葉に3人の視線が集まる。
「なんでそんな事分かるんだ?」
「だって人だったら『暑くて』のほうだろ?そうじゃなかったとしてもこの部屋に人影なんてあるかい?」
3人は部屋を見渡す。
確かに、先ほど息絶えた男の死体ぐらいしか、この部屋には自分達以外の人間はいない。
「じゃあ、一体なんだっていうのよ。」
「それを今から考えるんだろ。」
「『熱くて』ってことは何かを燃やすのか?」
「いっそのことこの部屋全部燃やしちゃおっかv」
「そんなことしたら私達も死んじゃうでしょ!!!」
「大丈夫。雅と君は助けてあげるから。(でももちろん雅優先)」
にっこりと、笑顔でいう。
それに竜臣は恐怖を覚えた。
(こいつ・・・・・俺のこと殺す気だ・・・・・・!!!!!)
流はいまだに先ほどの間接キスの事を根に持っている。
いや、一生根に持つのだろう。
竜臣はあの時なぜ全力で逃げ、この仕事から抜けなかったのかを今更ながら死ぬほど後悔した。
「あ・・・・・・暖炉。」
雅が部屋の一角にある暖炉を見つけ、つぶやく。
「まさか・・・・・」
「そんなありきたりな。」
「雅のいうことだからやってみようv」
流が暖炉に火を放つ。
火は勢いよく燃え上がり、暖炉の中全体を覆い隠した。
しばらくすると炎が消えた。
そして暖炉の中の壁だったはずのところに、ぽっかりと人が通れるくらいの穴があいていた。
「うそ・・・・・」
「ビンゴ。」
「さっすが雅v」
「まさか本当に暖炉とは・・・・・・」
4人は穴に近寄り、中をのぞいてみる。
その中には階段があり、どうやら地下に続いているようだ。
4人は階段を降りていった。
その列の順番は前から希羅、雅、竜臣、流。
竜臣は今命の危機にさらされていた。
後ろにいる流から出されている異常なほどの殺気。
その殺気は全身を震え上がらせるほどだ。
「雅・・・・・・」
「何だ。」
竜臣は自分の前にいる雅に話しかける。
「場所、交換してくれ。」
ヤダ。
即答で断られる。
「何でだよ!!?」
「こんな薄暗い中あいつの前に立ったら何されるかわかんねえから。」
「俺は今命の危機にさらされてるんだよ!!!」
「俺の知ったこっちゃねえな。」
「大体これはお前が巻き起こした自体だ。責任ぐらいとれ。」
「は?」
竜臣の言葉に雅は何のことか分からない。という視線を向ける。
「お前があんなトラップにかかるから・・・・・・」
「お前、俺になんかしたのか?」
「ヴッ・・・・・・」
面と向かって言われ、口ごもる竜臣。
間接キスをしたなんて口が裂けても言いたくない。
しかも今自分の後ろにはそれを根にもってものすごい殺気を放っている人物がいるのだ。
そんなことをいってあのときのことを思い出させたら何をされるか分からない。
ただ1つだけわかるのは、自分の寿命が縮まるということ。
「いや、もう、いいや・・・・・うん。俺が我慢するよ・・・・・・」
「???」
絶望気味の竜臣を無視して、前の2人はどんどんと階段を下っていく。
しばらくすると、大きな扉が現れた。
重量感のある、鉄の扉だ。