「開くか?」
「なんかパスワードが必要みたい。」
「考えんのめんどくさいな。」
「じゃあ、私と雅でたたっ斬りましょうか。」
4人は強行突破に決めた。
希羅と雅は刀を構え、居合斬りの体勢になる。
そして2人同時に目に見えないほどの速さで刀を抜き、振るう。
鉄の扉が細切れになり、大きな音を立てて崩れる。
「すげえ・・・・・」
「さすが。」
「さ、いきましょうか。」
4人は扉があった場所を踏み越える。
そこには広い部屋が広がっていた。
「なんかありそうな部屋だな。」
「ここに行方不明者がいたりして。」
「ありえる。」
「部屋もいっぱいあるしね。」
そのとき、部屋に灯りが点いた。
今まで暗いところにいたため、4人は眩しさで目を細める。
すると、部屋の真ん中に小さな女の子が立っていた。
「子供・・・・・?」
「なんでガキがこんなところに・・・・・」
「お姉ちゃん、綺麗ね。」
少女が、希羅を見ながら言う。
「ほう、お前を綺麗なんて言ってくれるやつがいるんだな。」
希羅が竜臣を思いっきり殴る。
「お姉ちゃん、綺麗・・・・・許せない・・・・・綺麗なのは私だけ。それ以外はいなくなっちゃえばいいのに・・・・・・!!!」
「な、なんて自己中なガキだ・・・・(汗)」
少女の発言に思わず後ずさる雅。
「そう・・・・いなくなっちゃえばいいのよ!!!!」
少女が叫ぶと、部屋全体が揺れ出した。
「な、なんだぁ!!??」
「!?きゃあぁぁぁぁ!!!!」
「希羅!!?」
希羅の悲鳴が聞こえ、3人が振り返ると、希羅の足元に大きな穴が開き、希羅はその穴に落ちていった。
3人は助けようとしたが、それよりも早く穴が閉じた。
「くすくす。綺麗なお姉ちゃんはいなくなったし、お兄ちゃん達、遊ぼうよ。」
少女がとてもうれしそうに笑う。
「希羅をどこにやった?」
怒り心頭、という感じで、雅が少女を睨む。
「お兄ちゃん恐いなぁ。そんなに睨まないで。私と一緒に遊ぼうよ。」
「ごめんだね。第一俺は男じゃねえ。」
雅の言葉に、少女の笑いがピタリと止まる。
「あなたも女なの・・・・・・紛らわしい格好してるから男だと思ったじゃない・・・・・・あなたも綺麗ね。私の前から消えて!!!!」
今度は雅の足元に穴が開く。
しかし今度は予測できたので、雅はすばやく飛びのき、少女の前まで一気に詰め寄る。
そして少女を床に組み敷く。
「!?」
「いつまでもてめえになんかにかまってらんねえんだよ。さっさと希羅の居場所吐いて消えやがれ。」
「きゃぁー、雅悪人キャラv」
「恐っ!」
後ろの男2人の言葉にがっくりとしながらも、雅は少女を組み敷いている手の力は緩めない。
「・・・・・・・・・や・・・・・」
「あ?」
「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
少女がいきなり大声で叫ぶ。
それに雅は驚き、少女の体から離れ、流達のもとへ戻る。
「び、びびったぁ・・・・・・鼓膜破れるかと思った・・・・・」
心臓バクバク、といった感じで、雅が目を見開く。
「女の人に触られた・・・・・・・!!!いや!!!許さない!!!!」
少女が急に雅にナイフで襲い掛かる。
「!?速い!!?」
雅はよけるが、腕にかすり傷をつくる。
「雅!!」
「本当に子供かよ!?こいつ!!」
竜臣が少女に向けて銃を放つ。
「竜臣!!殺すな!!!」
「分かってるよ!!」
殺すなといわれても、少女に銃弾はなかなか当たらない。
流も炎を放つが、ことごとくよけられる。
「チッ・・・・ちょこまかと・・・・!!」
雅も広範囲にわたって風を発生させる。
そして少女は風をよけることができず、壁に押し付けられる。
「やっと捕まえたぜ。」
風はそのままに、雅は流と竜臣とともに少女の前に歩み寄る。
「どうするの?」
「まず希羅の居場所だろ。」
「希羅がいる場所は?」
竜臣が少女に問う。
しかし、少女は何も答えない。
「てめっ、いいかげんにしろよ・・・・!!」
「まあまあ雅、相手は子供なんだから・・・・」
今にも殴りかかりそうな雅を流がなだめる。
その時だった。
少女が急に、消えた。
風の力はまだ働いている。
それなのに、消えた。
「なっ・・・・?」
「消えた・・・・」
「どういうことだ?」
3人が考え込んでいるとき、部屋全体の床が開いた。
「お?」
「あれ?」
「何だこれ!!?」
3人はまっさかさまに下へと落ちていく。

ドシャッ!!
グエェッ!!!?
「あー危なかったv」
「早く降ろせ!!////」
今のこの状況説明。
竜臣は見事に着地したが、その上に雅をお姫様抱っこした流が着地。
結果、竜臣踏み潰される。(しかも2人分の体重)
「え〜、俺はもう少しこうしていたいなv」
「ギャァ―――――!!!!放せ――――――!!!!!!」
つーかお前ら早くどけよ!!!
ガバアッと、何とか気力で立ち上がり2人を振り落とす。
「ったく・・・・大体ここどこだよ。」
3人は部屋を見回す。
これといって変わったところはない。
さっきいた部屋よりも広いということくらいしか分からなかった。
「そういえば希羅は・・・・・」
「ここに落ちたはずだよな。」
しかし希羅らしき人物の影は見当たらない。
「捕まったのか・・・・・・・?」
「まさか。あの希羅だぜ?」
「でも、万が一ってことも・・・・・」
「あれ、部屋じゃない?」
流が指し示す場所には1つの扉。
鍵もかかっていないようだ。
というより、希羅の手によって切断されたような跡がある。
「ここにはいったみたいだね。」
「いってみるか。」
3人は部屋に入る。
そこには大量の薬品があった。
「何だ、これ?」
「麻薬・・・・だな。(まさか遥霞のやつこのこと知ってて俺達にこさせたんじゃねえだろうな)」
「これがホラーハウスの正体ってことかな?」
3人は部屋の奥へと進んでいく。
そこには希羅がいた。
希羅は刀を構え、警戒態勢をとっている。
「希羅!大丈夫か!?」
「雅!!来ちゃダメ!!!!」
希羅の静止の言葉も聞かず、雅は希羅のもとへ駆け寄る。
希羅のところまであと少しというところ。
ゴンッ!!!
部屋に鈍い音が響き、雅が倒れる。
「だからいったのに・・・・」
「雅!!?」
雅は頭を押さえてその場にしゃがみこむ。
「ってえ〜〜・・・・・何だよ、これ!!!??」
相当痛かったのだろう、雅は涙目になりながら希羅に訴える。
「なんかバリアみたいなの張られてるみたいなのよね。」
「先に言えよ!!!」
「言ったじゃない!!」
「何だ、あれか。天然か?」
「雅は優しいから仲間のこととなると周りが見えなくなるんだよv」
2人の言い争いを遠くから見守る男2人。
「・・・ていうか希羅なんでこんなところにいるんだ?」
雅が話を中断して思い出したように言う。
「知らないわよ。ここに来たら急に閉じ込められていろんな武器が飛んできたのよ。」
「あーだから警戒してたのか。」
「分かったら話し掛けないで!!!」
雅に一喝すると、希羅はまた刀を構えなおす。
すると、希羅の周りのあらゆる方向からさまざまな武器が飛んできた。
ナイフ、日本刀、戟、矛、などなど。
希羅はそれをうまく刀で弾き返す。
「・・・・大丈夫なのか、それ。」
「大変に決まってんでしょ!!」
希羅の声には少し呆れも含まれている。
「おいおい、あの2人止めなくていいのか?」
「ん〜〜〜・・・・それより希羅ちゃん助けなくていいのかな・・・・」
「でも、どうやって?」
2人は考える。
希羅がいる数メートル範囲にはバリアが張られている。
そのバリアを解除するスイッチか何かがどこかにあるはずだ。
しかしこの部屋にはそれらしきものは見当たらない。
どこかに操作室があるのか。
それだったら見つけるまでに希羅がもつか分からない。
強行突破しか手はないようだ。
「雅、希羅。ちょっとそこどけろ。」
竜臣がマシンガンを構えながら2人に声をかける。
そして、流がバリアの一部に炎を放つ。
そこに竜臣がマシンガンを撃ち込む。
流の炎によってバリアは紅く染まる。
マシンガンが撃ち込まれたところから、徐々にひびが入っていく。
そしてしばらくすると、大きな音をたててバリアが破れた。
「おお!!」
「以外にあっけなかったね。」
「遅いわよ!!!」
「そっちが無駄な言い争いしてるからだろ!!!」
バリアからでてくるなり愚痴をこぼす希羅。
「で、一体ここは何なの?」
「さあ。」
「ホラーハウスに見せかけた麻薬製造工場ってところじゃないかな。」
「なんでそんなとこで行方不明者が出るんだよ。」
「さあ?」
4人は部屋の奥へ進んでいく。
奥に進むにつれて麻薬独特のにおいがした。(するのだろうか・・・・)
「うえ〜気持ち悪い・・・・・・・(俺、こういう薬のにおい慣れてない・・・・・)」
「雅戻っててもいいよ?」
「ん、大丈夫・・・・だと思う。」
雅はよほど苦手なのか、ふらふらと歩いている。
麻薬のにおいをかぐのは初めてのようだ。
「ちょっと・・・・!!」
希羅が立ち止まる。
そこには部屋があった。
ドアは開け放たれていて、牢屋のようなところに人が数人閉じ込められている。
牢屋を見張っているのか、何人か武器を持った者もいた。
「どうする?」
「そりゃあ・・・・」
「強行突破しかないよね。」
「今回そればっかだな・・・・・」
「雅はここに残ってろよ。」
「余計な心配すんじゃねえよ。」
そして4人は突入体制に入る。
見張りの人間が自分たちは見えないような場所に行ったとき、4人一気に部屋に入った。
声をあげるまもなくどんどんと見張りを倒していく。
しかし。
「動くんじゃねえ!!この女がどうなってもいいのか!!!??」
3人が振り向くと、男にナイフを首元に突きつけられた雅の姿があった。
雅は男に支えられている状態で、ぐったりとしている。
どうやら気絶しているらしい。
部屋に入ったことによって麻薬のにおいが強まったことが原因だろう。
「雅!!」
「だから残ってろっていったのによ・・・・・・・」
「てめえ・・・・・・!!!」
人質にとられた雅の姿をみて流が男を睨む。
その様子に男がたじろぐ。
「はっ、いいのか?そんな態度とって。この女の首掻っ切るぞ?」
男がさっきより強くナイフを押し付ける。
雅の首もとからうっすらと血がにじみ出す。
流はその様子を歯を食いしばってみていた。
「へへ、なんか知らねえがこの女が入り口んところ倒れててラッキーだったぜ。この女人質にしてこっから逃げてやる・・・・・・」
それに流がブチ切れて、男に殴りかかろうとしたとき。
「んっうっ・・・・・はっ!!?おめえ誰だよ!!!!????」
急に気がついた雅が、男を背負い投げで床に叩きつける。
「グハッ!!!???」
男が苦しそうな声をあげて、気を失う。
「雅、気がついた!!?」
流が雅のそばに駆け寄るが、雅はばったりと倒れる。
「さっきのは条件反射かしら・・・・・」
「相当ダメらしいな。」
流が雅の首もとの血を拭いて、抱き上げる。
「早く帰ろう。ここにいる人達を全員連れて。」
「こいつらどうする?」
竜臣が自分たちが倒した男達を指し示す。
「どうせ下っ端なんだからほっとけば?」
そして4人は行方不明者を連れて、ホラーハウスこと麻薬製造工場を後にした。
結局、カードゲームでの男の死、女嫌いの少女の正体は謎のままだ。

「やあ、お帰り。よくやってくれたね、ご苦労様。」
4人が戻ると、再び明るい笑顔で迎えられた。
「一体何なの?行方不明者保護して。」
「2,3人は薬の実験台にされて死んでたけどな。」
「ふふ。それはね・・・・・」
遥霞が行方不明者の中の1人の男に歩み寄る。
「こいつを捕まえるためだよ。」
その男に、銃を突きつける。
男の顔が蒼白になる。
「なななっ・・・・・!!?お、俺が何したっていうんだ!!??」
「しらを切るのはいけないね。1週間ほど前、俺の財布スっただろ?君を見つけるためにあらゆる手を尽くしたんだよ。」
「し、知るかそんなこと!!」
「大量の冷や汗、挙動不審な態度、嘘をついている確率高し。」
遥霞が、銃の安全装置を外す。
「わ、わわわわ分かった!!確かに俺は1週間前金がなくて誰かの財布をスった!!!」
「で?」
「そんなの使ったに決まってんだろ!!」
「じゃなくて、財布だよ。中身じゃなくて。」
「持ってたら捕まると思って捨て・・・・」

パァンッ!!!

銃弾が、男の頬を掠める。
「な、何するんだ、いきなり!!!」
「それはこっちのせりふだ。勝手に人の財布捨てやがって。あの中にはなぁ・・・・・」
少し、間をおいて、息を吸い込む。
「あの中には、智華のメチャクチャ可愛いナイスショットが入ってたんだぞ!!!!!
一瞬、場の空気が固まる。
「って!!それだけのためにてめえは俺達をあんなところに行かせたのかよ!!!??」
「それだけとは何だ!!?俺にとっては死活問題だ!!!」
「そんなことで死ぬわけないでしょ!!!」
「実際1週間生きてたわけだしね。ていうか、君のせいで雅が危険な目にあったんだけど。
ぎゃぁぎゃぁと、口論を始める4人。
4人をほっといて、智華はスリ男以外の行方不明者を部屋から出し、家に帰るように促す。
「はい、そこまでです。皆さん。」
パンパンと、手を叩いて、4人の口論を止める。
「あなたはこの方をどうするつもりなんですか?」
「うーん。彼の行為は死に値するんだけど・・・・・智華が決めていいよv」

でた!!!

「それでは家に帰しましょう。お金のことは取るに足らない出来事ですから。」
「智華がいうならそれでいいよv」
「ねえ、どうにかしてよ、あれ。」
「今頃何言ってんだ。無理なのは大分前からわかってるだろ。」
そう、この上司は何をいってもこれだけは治らない。
これを一途な愛と言えば聞こえはいいのだが、物には限度がある。
この上司はその限度を超越している。
「そういえばあの館で麻薬が作られてたんだけど。」
「そう。それで雅が気絶しちゃったんだけど。
流が笑顔でおぞましいオーラをかきたてる。
ここにも1人、上司と似通った男がいた。
「あーやっぱり?事前に知ってたけど君達なら大丈夫かなって。」
「最悪・・・・・・」
「いつものことだろ。」
「もう、俺・・・帰る・・・・雅寝かせたいし・・・・・」
「変なことすんじゃないわよ。」
「さあ?」
曖昧な笑顔を浮かべて、流は部屋を出て行こうとする。
「そういえばどうだった、竜臣。初チュ―の感想は。」
遥霞が、突然言い出す。
「なっ、ななな!!!!?????///////なんでそのことを!!!????」
竜臣の顔が一気に赤くなる。
流も部屋を出て行くところで立ち止まる。
「ふふふ。俺をなめてもらっちゃ困るね。あるコネで入手した追跡カメラで君達のことは観察させてもらったよ。」
「なんて悪趣味な・・・・・」
「今すぐにそのビデオを消去しろ!!!」
「えー、こんな面白いもの捨てるわけないだろ?」
「てめぇ〜〜〜〜〜!!!!!!」
「今度雅に見せちゃおっと。」
「それだけはやめろ!!!!」
雅をソファにいったん寝かせて、流が静かに竜臣の背後に忍び寄る。
そして、がしっと、竜臣の肩をつかむ。
竜臣はそれにびくりとする。
「そういえば、そうだったね。君は雅と・・・・」
再び、おぞましいオーラをかきたて始める流。
竜臣は冷や汗がだらだらと流れる。
「楽しそうだね。」
「楽しいもんか!!!」

そして竜臣は、2週間絶対安静という大怪我を負わされた。
見舞いに来た慶には哀れみのまなざしをむけられ、希羅は流の恐さを改めて思い知った。
竜臣は、雅が見舞いの来ることをかたくなに断っていたらしい。

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