「…またやってるんですか。物好きですね」
「うん」
「嫌みで言ったんですけど」
「知ってるけど」
 静かに頷く年上の幼馴染に、風矢は小さく息をつく。
 このクールさを思い人の前でも発揮できれば、まだ希望があるのではないだろうか。いや、ないかもしれない。
 最初にどんびきされてさけられてるのだから、難しいだろう。
 そんな失礼なことを考えていることが、顔にでもでていたのだろうか。
 考えにふける彼をベムはじいっと見つめる。
「……君は、機嫌がいいよね」
「はぁ?」
「今年は珍しく僕を誘わなかったし。友情って儚いね」
「僕と君との間に友情ってあったんですね」
「言ってみただけで。特にない」
 淡々というベムに、風矢は僅かに頬をひきつらせる。自分が言ったこととはいえ、相手に言われると屈辱だ。
 しかし、屈辱だという顔をするのはもっと屈辱だ。
 そう言い聞かせ、彼は大きく息をすい、はく。そして、一つ気付いた。
「…っていうか、なにが儚いんですか」
「女ができると疎遠になるっていうよね」
「で、できてません!」
「でもでかける約束したって。昨日君が言った」
「言いましたけど! 彼女はそんなんじゃないですから!」
「へぇ。じゃあなに」
 面白がるような口調で、けれどちっとも楽しくなさそうに言うベムに、風矢は少しだけ言葉につまる。
 その顔がほんのりと赤いことには、気付かぬまま。
 どう見ても照れている顔で、彼が吐き出した言葉は―――
「べ、別に彼女といたいわけじゃないんですからね!
 クリスマスに浮かれて変な格好でもされたらうちの学校に悪評がつくので、しかたなくっ」
 しどろもどろとでも評せそうな雰囲気で吐き出された言葉に、ベムは小さく息をつく。
「…風矢」
 常なら風矢がするであろう動作をおこない、そっと呟いた。
「ふざけたこと言ってないで。とっとと爆ぜて」
「なに電波なこと言ってるんですか!?」
「リア充爆ぜろって奴だよ」
 小さく呟き部屋を出ていくベムに、風矢は実に複雑な表情を見せる。
 いや、たしかに。彼女とクリスマスに会う約束をしたけど、そんなんじゃ。
「あ、相手は小町さんですしね…」
 言い聞かせるようにつぶやく風矢。
 ちなみに、彼がクリスマス当日に彼女を迎えにいったところ、着物でびっくりするのは、まぁ、別のお話である。





学パロ風矢は本編よりベムに頭あがらない気がするんです。あとリアクションがわかりやすい。いや、いつもか。