素材:PROS&CONS 様
経緯
紫堂さんがアクライ一年分あげるからリアル・カ○リアンしない?とか悪魔の契約をささやいてくるので、萌えをこまめに出すことでコスプレを回避する企画。
いやまあ別に本気でコスプレ強要されてるわけでもないので、ただ萌えたから吐き出すページなんですがね。
しどせつ企画くらいの時間軸と距離感を目指している。多分おそらくきっとメイビー。
目次
1.2.3.4.5.6.7.8.9.10
11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23
嘘のように蒼い空の下、少年と少女が歩く。
黒い服を着た少年は、色素が極端に少ない。
陽を浴びて輝く髪は、きらきらと輝く白銀。長い袖から除く指先も、整った顔も同様に白い。
名匠の作り出した彫刻のようなその少年は、少し前をゆく少女をそっと呼び止める。
透けるように白い少年は、少女を見る瞳だけが蒼く、彼女を呼ぶためにと口を開けばその中は赤い。
その色を見つめながら、呼び止められた少女は立ち止まる。
なんですか?と問いかけを紡ぐ桃色の唇が、ほんのりと色づいた頬が愛らしい少女は、生き生きと愛らしい。
幼い少女が夢に見る、天使のような。見る者の口許を緩ませる愛らしさ。
吸い込まれそうに大きい空色の瞳も、艶のある黄金色の髪も、いかにも陽の光が似合う風。
ふわふわと波打つ髪と大きな瞳を見返して、少年は穏やかに苦笑する。
「なんですか、じゃなくて。そんなに急がなくても逃げないよ、お店は」
微笑ましいとでも言いたげな口調で、ウィンドーショッピングに足早に駆け出す少女をたしなめる。
すると少女はむぅと顔をしかめ、言いかえす。
「でもお休みは限りがありますからねぇ。ロンドの財布だと思うと、買い物もし甲斐がありますし。つい」
「あ。僕の財布から出るの決定なんだ」
「男の甲斐性ですよぅ」
「男と思ってたの?」
「正確には幼馴染のよしみですねぇ」
すねたように顔をしかめて、すぐさま悪戯気に微笑んで。最後は冷静な顔で宣言して。
くるくると表情を変えながら、ともかく奢れと告げる幼馴染に、少年はふっと息をつく。
いやまあいいんだけど、と。小さく呟く彼の口の端にも、わずかに楽し気な微笑。
いいんだけど、幼馴染なんだよね、と。
何とも言えぬ感情のにじむ呟きは、彼の口の中だけで消えた。
らぶらぶに見えるけど別にらぶらぶじゃない幼馴染だからっていいですよねと幼馴染スキーは主張する。
ある日、少年は少女へと花を贈った。
リボンとレースでかざられた、愛らしいブーケ。
可憐な少女に似合うような明るい色合いの花々は、繊細なレースでかこまれて。彼女の瞳によく似た色合いのリボンによって結わえれれた、かわいらしい一品。
自身の持ち合わせる色が少ない少年が持つと、一段と鮮やかなそのブーケを見、少女はふっと笑う。
ブーケに負けぬほど愛らしい、華やかな微笑み。
花に似た色の唇から紡がれるのは、かろやかな台詞。
―――まあ、キレイなお花ねぇ。うちの台所にでも飾っておこうかしらー
両手で受け取ったブーケを掲げ持ちながら、少女はそんなことを言う。
可愛らしい―――けれどどこか空々しい、特に心動かされたような様のない表情で。
かろやかで明るく―――けれど胸のときめきなどは遠いと思わせる声色で。
―――そうしますね、ロンド。
にっこりとほほ笑みかけられた少年は、ほんの少しだけ熱い目頭を押さえることなく答える。
うん、そうしたら?と。
軽く答えて、少し眼差しを遠くした。
しどせつ企画で昔投げられたネタに便乗。スルーなアクライが好きですよ
ある暑い日。体調を崩し寝込んだ幼馴染を見舞ったライアナは、小さくつぶやいた。
寝込むアークロンドの額を冷やした布でぬぐいながら、一言。
「弱ってる時って種を残さなきゃって気持ちになるっていいますよね」
「よねって同意を求めないで……」
甲斐甲斐しい動作とひんやりとした温度に頬を緩ませていたアークロンドは、渋い顔で言いかえす。
半身を起して言いかえした後に、こほんと咳。
僅かにひそめられた眉とますます色の薄い肌に、ライアナはでも、と呟く。
「命の危機に瀕すると盛り上がるというじゃないですか」
「その話題から離れよう!」
「そんなに慌てて言うことじゃないでしょう。ほらほら咳こんじゃって。大丈夫ですか?」
心配するならもう少し穏やかな話を。
いや。話だけならいい。変な行動になりさえしなければ。
背中をさする手に、彼は強くそう思う。背中に感じるあたたかい感覚を、ただ味わっていたい。
味わっていたいので、すすっと下半身へと伸びていく手のひらを軽くはらく。
「…ライア」
「なんですか?」
名前を呼ばれ、にっこりと。
にっこりとほほ笑むその顔は、無邪気そのもの。ついでに、百人いたら百人近くは愛らしいと称するまばゆいもの。
けれど、でも。とっても。
「君って本当残念だよね…」
「ひどい言い様ですね。私は今、むしろ残念な気持ちを味わってますぅ」
唇を尖らせなにかへの不満を訴える彼女に、彼はもう何も言わない。
黙って再び身を横たえ、ぷいと彼女から視線をそらす。
すねたような仕草に、ライアナは小さく笑い、いたわるように背をさすった。
風邪ひくたびにあんなことやそんなことしてんのかなまったくもうアクライいやらしい(萌)そう思ったという話です。公共の場仕様。
涙で顔をゆがませる少年に、少女が白い布を差し出す。綺麗にたたまれたハンカチを差し出す。
けれど、少年はそのことに気づかない。うつむいてしゃくりあげる。
その姿に彼女はそっと眉をひそめて、愛らしい唇を尖らせて。
ハンカチをぐしぐしと彼の顔に押し付けた。
乱暴な仕草に、蒼い目からはますます涙がこぼれて。
それでも彼が目にした姿に、大丈夫よと笑う彼女に。
泣き虫の少年はそうっと笑って、小さく礼を呟いた。
「そんなこともあったのにどうしてこなってしまったのかしら。
泣き虫のロンドが女の子を泣かせるような男になってしまったのかしら」
「いや。君泣いてないよね。目は赤いけど。涙が出たのあくびだよね」
「どうして女の子をねかせないような男になってしまったのかしら」
「このままじゃ君の卒業が危ういからだよ!」
「危うくなんてないですよぅ。このままじゃできません」
「いや、しようね!?」
幼少期アクライは尊い
床に座る彼の膝に足を預ける彼女が笑う。
彼の肩へと置いていた腕を放して、その上体をふらりと傾げて。
仰向けに倒れるはずの彼女の背には、苦い顔の彼の手が添えられる。
「…危ないよ」
「うふ」
悩んだ末の苦い声色に、彼女はさらに笑う。
穏やかに、天使のように。
「このくらい危なくなんてないでしょう?」
けれど吐き出される言葉は、きっと俗にいう小悪魔。
そんな本音を口には出さず、彼はふっと眼差しを遠くした。
イラストにかっとなってやった。小悪魔! 小悪魔!
「ライアナ。今帰り?」
「はい。お姉さま」
「そう。おかえり。…あまりうるさく言いたくないけど、遅い時間に出るときは気をつけなさい」
「大丈夫ですよ。ロンドと一緒でしたし」
「…そう」
「おかえりなさい。お姉さま。これ、今日遊びに行ってきたおみあげです」
「ああ…ありがとう。休んだらいただこう。…これ、行列がすごかっただろう? わざわざ私のぶんまで悪いな」
「ああ。ロンドと一緒でしたし。行列が苦になることはなかったですよ。気にしないでください」
「……そうか」
「おかえりなさい。お姉さま。
今日も遅かったですねぇ」
「ただいま。…お前は今日も変わらなかったか?」
「ええ。サリアナも元気に訓練してますぅ。今日ロンドになにやら励まされたらしく、いつもより張り切っているくらいですね」
「…………そうか」
「…ライアナ」
「なんですか? お姉さま」
「……お前らは」
「ふふ。お姉さま、顔色が悪いですぅ。
早くお休みになった方がいいですよ」
「……そうか。頭が痛いからかもしれないな」
フィアナさんは苦労性かわいい。
「遊びましょうよ、ロンド」
それはそれでいい笑顔で、ライアナは言う。
しなびたカフェのテーブルに頬杖をついて、ぐっと身を乗り出して。
向かい合ったアークロンドは、その姿をちらと見て、メニューに目を戻す。
「今こうしてお茶してるのは?」
「そうじゃなくて。もっと行楽っぽいことですよぅ。夏らしいことしましょうよー」
夏。確かに今は夏だった。
小さな窓からも明るい陽ざしが注がれて、ライアナの髪をきらきらと輝かせる。
ついでに、それよりももっと目をキラキラさせて、彼女は言う。
「お勉強ばかりじゃ体に悪いですよぅ。ぱぁっと遊びましょう?」
「でも陽ざしが強いじゃないか」
「そこは気をつけますよ? だから、ね?」
気乗りしないといわんばかりのアークロンドに、ライアナは笑みを絶やさない。
大きな目をきらきらと輝かせて、彼の方へと乗り出すように。ねぇ、と囁く声は甘い。
しなびたカフェの片隅。薄暗い店内。
淡い照明と夏の日差しに照らされて、その姿は実に楽しそうで―――
前かがみになると、夏らしくゆるい胸元あたりが危うい。
「…ねぇ。ライア」
「なんですかぁ?」
「むしろ今遊んでない?」
「うふ」
いたずらっぽく首を傾げるライアナ。
やはり楽しそうなその姿に、アークロンドは苦く笑った。
ライアナさんの服いうか神様のあの服ガード固いから私服ですね。私服のライアナさんは胸元危なそうじゃないですかね。
赤青緑。黄色に紫に茶色。そして、両端にほん少しだけきらきらと光るものが混じるクレヨンが二つ。
「きんとぎんです。特別です」
色とりどりのクレヨンの詰まった箱を手に、幼い女の子はえへんと胸をはる。
それを眺める男の子は、ふぅん、とだけ呟いて、すとんと椅子に腰を落とす。
「お姉さまが買ってくれました」
「そうなんだ」
「ロンド。だから今日はお絵かきです」
とてもうれしそうに報告する一つ下の友達に、男の子は落ち着いている。
彼女ばかり楽しそうで、ほんの少しつまらない、なんて。ちょっぴり思わなくもなかったが。それを言葉をすることはできないまま。
「きんとぎんは特別ですけど、ロンドも使っていいですよ」
「そうなの?」
「だって私はロンドをかくから」
「から?」
「だからロンドは私をかくんです」
「うん」
「そしたら、特別だけど、ロンドの色ですもの。だから、私はぎんいろを使うしロンドは金色を使うんですよ」
「そうなの」
すとんと彼の向かいに腰を落とす彼女は、依然としてとてもうれしそうで、得意げで。楽しそうだ。
それを見る男の子も、今度はなぜか無性に楽しくなる。
楽しくて笑って、そうだね、と返した。
あの世界にクレヨンがあるかとは私知らない。だがしかし幼少アクライは天使。それは定期的に主張したい。
ある仕事のため、人の住む町へ行くことになった。
勿論人として、無力な町人として。
だからライアナは武器の類など携帯していないし、アークロンドもずっしりと重いマントを羽織ってはいない。
粗末ともいえる服を着て、町を歩いている。二人で町を歩いている。
そうして。
ほんの少しの別行動の後に、待ち合わせ場所に立つアークロンドは黄色い声を上げる女性に囲まれていた。
それを見たライアナはにっこりとほほ笑み、てくてくと彼に歩み寄る。
彼女が彼のもとにたどり着くより早く、彼は振り返った。
振り返って、わずかに笑って。軽く手を上げて、彼女の元へと小走りでよってくる。
残念そうな声を上げる町人と思わしき者たちを見ながら、彼女はいたずらっぽく笑った。
「ロンドが人に囲まれてるのは見たことあるけど。あんなに綺麗に女の子をあしらえるのは初めて見ましたぁ」
「そう?」
「スミにおけませんねぇ」
「そんなんでもないと思うけど」
「そんなことありませんよぅ。なにしろ綺麗な顔ですし。色々と立派ですものねぇ」
「……ここで立派もなにもないでしょ?」
「いえ。他にも色々。立派ですしぃ」
「ねえ前も聞いたけどドコが!?」
冷静に静まっていた声が荒ぶる。とても嫌そうな、いいたいことはわかっていそうな顔だ。
立ち止まったライアナは、嫌そうな形へと引きつった頬にぺたりと手を添える。
「変な顔。綺麗なお顔が台無しですよぅ」
「ああそう。なら他ので立派にふるまわないと。……そろそろ休憩しようか。ほら、あそこの店とかどう?」
柔らかな手をそっと離させて、アークロンドは笑う。未だにやや引きつった顔に命じて、整った笑みを浮かべようとする。
彼が指で示す先で、甘い匂いと共に湯気が上がる。
どうやら何か甘いものを焼いていると思わしきそこは、ファンシーな飾りつけと相まって、どうみても彼好みのお腹にたまるものなどは無縁そう。
すっかり涼しい笑顔でそんな提案をする幼馴染に、ライアナはしばし沈黙を返し。
そうね、と腕をからめた。
べったべったありがちネタが…好きなんだ…
妻となった少女は美しい。
少年は思い、息をつく。
昔から可愛らしく、絵にかいたような美少女だった。幼い彼は何度も見惚れた。天使みたい、と。
キレイなドレスも、目映い宝石もなしに。きらきら輝く、可愛い幼馴染み。
―――けれど彼女は、笑わない。
今の彼女は、笑わない。
否、美しく笑っているけれど、作り物だ。
作り物の愛想笑いなことくらいなら、少年にはわかった。
幼馴染なのだから、そのくらい分かる。
「……ライア」
「なんですか?」
名を呼んでぐしゃぐしゃと髪を撫ぜる。
咎める声はなく、ただ蒼い瞳がじっとこちらを見る。
薄い笑みを浮かべて、ただ見ている。
彼女は彼を咎めないし、許さないのだろう。もうきっと。ずっと。
悟った彼は、ふわりと笑う。
手の届く場所に、愛しい彼女。
彼女が近くに黙っているなら、それも悪くはない。――――悪くは、ない。
短ければさすがにおめんじゃなくて仮面になるだろ思って書いてみたIFですがこれもお面っぽい気がしますねあはは
白いスカートから、すらりと伸びた足は美しい。
白く細く、それでもなだらかに美しいラインを描くその足が、そっとステップを踏む。
とんとん、ととん、と。小刻みに動いて、少女は実に楽し気に踊る。
少女の踊る広場には、浮かれた音楽。空からはふわふわと舞い散る雪。
とある街の広場では、彼女の他にも幾人かの町人がゆるく円を作って躍っている。今日という日は、この町のできた日であり、その祝いとして。
仕事の途中、その祝典に参加したライアナは、楽し気に笑っている。
ふわふわと髪を躍らせて、軽やかに踊るライアナを少し離れた場所から眺めて、アークロンドは手元の袋をあさる。
ひんやりと刺す空気の中、ほかほかと湯気を立てる袋の中には、焼きたてのパンが入っている。
ふわふわとした生地の中には、とろけたチーズ。じゅわりとにじみだすうまみを満喫しながら、彼もまた楽し気だ。
けれど。
「ロンド。ロンドもきましょうよ」
円から抜けたライアナは、そっと手を差し伸べる。
二個目のパンへ手を伸ばしかけていたアークロンドは、ほんの少しためらい、静かに笑う。
そっと重ねられた手を握り締め、ライアナはふわりと笑った。
聞こえるのは浮かれた音楽。肌にまとわりつくのはひやりとした空気。
つないだ手の熱がよくわかるような、ある冬の日の出来事。
こんな時間軸があるかは知らない第何段か。唐突にいちゃいちゃ踊るアクライが…書きたくなったんだ…
「ロンド。私思うんですよぅ」
「うん? うん。なに?」
「あなた、服のあちらこちらに色々としこんでいるでしょう?」
「うん」
「だから、こう……大きな磁石を用意して、あなたに向けたら、服がはじけ飛んだりしませんか?」
「しないよ!?」
「しないんですかぁ? つまらない」
「つまらなくないと思うな!」
「全裸にならないんですか?」
「なってどうするの!」
「そんなこと私にいわせるんですかぁ? ロンドったら。いやらしい」
「え、それ僕が言われる立場なの!?」
「うふ。
それで、実際は?」
「ともかくはじけ飛ばないよ?」
ふっ、とはじけ飛んだらめっちゃ面白いなと思ってしまって。とばないだろうけど。
「あら懐かしい。ロンド、見てください」
ある日、本屋に立ち寄ったライアナは幼馴染を手招く。
平積みの本を眺めていたアークロンドは、白い手の示す先に首を傾げる。
「絵本?」
「ええ」
「そういえば、昔君が持ってたね。こういうの」
「今もとってありますよ? 飾ってるだけで、読んでませんけどねぇ」
「ふぅん」
言いながら、彼は思いだす。
彼女の眼差しを受ける、かわいらしい女の子が描かれた絵本。
それを受け取った日の彼女のことを。
『この子、ライアとおそろいね』
『ああ。そうか。そうだな。…ほら、あまりはしゃぐと転ぶよ』
嬉しそうな笑顔と、慈しみの笑顔。
時間により多少脚色されているであろうその表情に、少年の胸はやんわりと痛む。痛むというよりは、『なんだかなぁ』だ。
飾って、とってあるんだ。お姉さんの贈り物。迎えが遅くなったからと贈られた、その絵本を。と。
「うふふ。ロンド、覚えてますか?」
「うん。お姉さんのお土産でしょ?」
「そっちじゃありませんよぅ。覚えてないんですかぁ?」
にこにこというよりはにやにやと笑うライアナ。
アークロンドはなにを?と素直に問いを投げる。
「ロンドがこの子がかわいいとにやにやしてたことですぅ」
「むごい中傷を受けた気がするよ」
「にやにやは違うけど、可愛いってほめてましたよぅ。今は絵なんてちっともないご本ばかり本棚に詰めているあなたにも、そんな時代があったんですねぇ」
「君がかわいいっていうから、頷いてたんだと思うけど」
「いいえ。褒めてましたね。ほっぺまで染めて、はっきりと」
「……ああそう。そういうこともあったかもね」
苦笑して首肯する彼に、彼女は途端につまらなそうな顔をする。
もう少し照れるかと思ってましたけどねぇ、などとごちて、本屋を出ていく彼女を追う彼は、ちらりと絵本を見やる。
黄金色の巻き毛。青い瞳。真っ白い服を着た、笑顔のかわいい女の子。
うん確かに、可愛いと褒めても不思議ではない。可愛いと思っていたのは、他のものだろうけれど。
幼馴染の背なかでふわふわと踊る、金糸に似た輝きを眺めつつ、彼は曖昧に笑った。
ライアナさんにファンシーで可愛い絵本をだっこさせたい。なぜなら可愛いから。でもぐろかったりR指定でもいいものです。それはそれでかわいいから。
「ユカタですよロンド!」
「うん? うん。可愛いね」
「下は水着ですぅ」
「…そういう着方するものだっけ?」
「さらにその下は裸ですぅ」
「…うん。それは水着ならそうだよね」
「さらにミニ丈の浴衣ですよぅ。ようはサービスです」
「え」
「読者サービスですぅ」
「メタい!」
「なんですかぁ、期待しましたか?」
「…健全な男の子だからね」
しょうもないアクライが浮かんだから軽く書いてみました
「ロンド。姫はじめは1月2日なんですよぅ」
「なんの話?」
「1月1日はなにもしちゃいけない日なんですよ」
「いや、なんの話?」
「だから明日がんばりましょうね」
「だから何の話!?」
「説明させたんですか? ロンドったらやらしい」
「冤罪だ…」
しょうもないアクライが浮かんだから軽く書いてみました。どうやら去年の書き納めアクライが上のです。成長していない。
「よく学園ものでありますよねぇ。下駄箱を開けるとチョコがどさーっと出てくるの」
「そうなんだ?」
「ロンドは……ないんですね」
「つまらなそうな顔しないでよ……」
「だって。漫画も裸足で逃げるスペックでしょう。学園長息子の美形(笑)」
「今カッコワライが見えた」
「さっき校門のあたりでそわそわしてる子はいましたけどね。綺麗なお顔の力は現実ではその程度だということですね…」
「そうだろうけど。僕にはライアがいるからじゃない?」
「私は甘いものは持ってきてませんよぅ。でも新しくできたカフェ。この間の試験で迷惑かけたお詫びに。ごちそうします」
「うん。そうか。ありがと」
ライアナさんに漫画も裸足で逃げるスペックといわせたかっただけ。
学園ものならいちゃいちゃバカップルに制限がかからないんだ。すばらしい。でも原作ありきだよ!
−これまでのあらすじ−
寝起きのモーニングコールが喘ぎ声。
「お疲れかと思いねぎらってあげたんですけどねぇ」
「ねぎらい方がひどいね」
「ロンドに元気になってほしくて☆」
「僕の顔を見ていってよ!?」
「元気になっていませんね…」
「僕の顔見て言って!?」
肩で息をする寝起きの幼馴染に、ライアナはふぅと息をつく。
「なんで元気にならないんですか?」
「なんで真顔でそんなこと聞かれなかいけないの?」
「やっぱりわざとらしいからですかぁ? 確かにこれはちょっと外れですけど。疲れてると生存本能であれやこれやと盛り上がるというでしょう?」
「いうけど、もうそれどころじゃないよ、寝起きにこれは!」
「そうですかぁ」
心底残念そうな声に、今度はアークロンドが深く息をつく。
「…鍵、返しにきたんでしょ?」
「だけ、とはいってませんよぉ」
「だけにしてよ…」
「だけでいいの?」
とろけるような笑顔で問いかけられて、少年は一瞬言葉につまる。
その一瞬に少女はますます笑い、首に腕をからませる。
「……帰っていいんですかぁ?」
「……とりあえず。まずは消そうよ、その番組を」
疲れたように、心底疲れたようにいうアークロンドに、ライアナはくすりと笑った。
導入っぽくなってしまった。続く…のは…書きたいけどツイッターでは無理だね!
音が響く。
ざざん、ざざんと波が砕ける音。
砂浜で白く、同時に蒼く。美しく輝く海に、金髪の少女がにこりと笑う。
「海ですねぇ」
「うん」
「綺麗ですねぇ」
「晴れているしね」
少女に応える少年も笑う。
彼の愛する色は、小麦の金に、空の蒼。
少し似た海も、当然美しいと思うゆえに。
―――否。
傍らの少女が柔らかく笑う、その光景を美しいと思う。
「立ってそのままがいいと思うんですぅ」
思うけれども、その瞬間笑みがひきつる。猛烈に嫌な予感がする。
するのだけれども、彼は尋ねた。
一縷の望みか、あるいは義務感か。ともかく、訊ねた。
「なにが?」
「体位」
「うん、分かった。知ってた。黙ろう」
がっと口を抑えられたライアナは、そのまま器用に膨れて見せる。
「でもロンド」
「なに」
「こんなところで横になったら色々と痛いですよぉ」
「なんでこんなところでやらなきゃいけないんだよ!」
「だって、折角ですし! 記念ですよぉ?」
「何の記念!」
「あなたとの旅行の記念?」
「ごめん可愛く言われてもなにも変わらない…」
「なんですかぁ。小さい男ですねぇ。大きいのに」
「話す時は人の顔みて話してよ!?」
次第に声を荒くして、肩で息をする幼馴染に、ライアナは笑う。
心の底から愉快そうな、おそらくはからかいを多分に含んだその様子に、アークロンドは深く息をつく。
「ねえ、ロンド。綺麗ですねぇ。海」
「そこに戻ってくれるんだ…」
「綺麗なものは大好きですからねぇ。ここはもう一つ綺麗なものでも追加しましょう。黄金色の飲み物とか」
「そう」
「そして酔った勢いで色々した後すやすや寝れば完璧ですねぇ」
「三大欲求満たすという意味ではね?」
まあ、暑いし。とりあえず飲み物は買ってくるよ。
疲れた呟きに、ライアナはくすくす笑った。
いや、ホワイトディの話しねってたらともかく脱いでさぁ…アクライが。
もういっそ脱ぐならきちんと脱がせようかと思ったんだけど何か本格的なエロを書くテンションは戻っていなくて…
書きたいところだけ抜きだしたらこうなった。
ツイッターでうーちゃんが言ってたのをみて健全(?)版も書きたくなったんだよ!
少年の前にはチョコがある。
正確には、チョコの色をした汁。
お湯で薄まったチョコ。
果たしてそれはチョコだろうか。
否、チョコではない。
出来のいい頭はすぐさまその結論を下す。
別に出来が良くなくとも下す。
どれだけ飢えていたとしても、それをチョコとは言うまい。
チョコを薄めたお湯は、チョコを薄めたお湯だ。
それでも彼は手を伸ばし、そのコップを傾ける。
ごくりと一口、二口、三口。
飲み干したお湯はやはり、どうあがいてもチョコではない。
2月14日に好きな相手からもらったものでも、チョコではない。
ついでに好きな相手の姉の作った失敗作ということを思い出すと、色んな意味で味気ない。
「え、飲んだの?」
「なに飲んじゃダメなわけ!?」
「ダメではありませんけど。…あなたどうしていつもそんなにお腹を減らしているんですかぁ。燃費悪いですよぉ」
「僕が意地汚いように言わないでよ…君の家の食品ロスのしわ寄せでしょう!?」
「そうですけどぉ」
驚いたように言った少女は、その言葉の後に表情を変える。
とても楽しそうに笑って、渋面に固まる少年の頬をつく。
「そんなに欲しかったですか、チョコ?」
「くれないの?」
「どうでしょう。…欲しかった?」
にやにやと、悪戯を仕掛けるかのように問う幼馴染に、少年はわずかに唇を曲げる。
―――彼の胸の中には、様々な思いがある。
彼女に必死になってほしくて。必死になった自分を知られたくはなくて。
彼女に触れたくて。触れたいことを知られたくなくて。
距離を図って、賢しく立ち回って、触れあって、慣れ合って。
それでも、関係の名前は幼馴染。
そういう距離で、ずっといる。
おそらくはしばらくはこのままだ。
「…甘いのは嫌いだけど。一年に一度くらいはいいんじゃない?」
「そうですか」
―――それでも、この一言くらいは。
この一言くらいは、この後も起こる様々ななにかに流れて埋もれるだろう。
苦笑いと共に吐きだされた言葉に、少女はにこやかに笑った。
…という続きを夢想したのじゃ。というお話です。 ちゃんともらってもいいし、もらわなくてもいい。アクライであればそれでいい。
僕にはかわいい幼馴染がいる。
目が青くて金髪で。
背が低くて胸が大きくて。
バカで。残念で。
かわいいものときれいなものと
小動物の解剖が好きで―――
―――お姉さん大好き。
この場合のお姉さんというのは、不特定多数の女性が好きとか言うわけではなく。
彼女はそれはもうお姉さんが好きなのだった。
「まったくもうおねえさまは」
「聞いてくださいよお姉さまが」
「今朝なんて顕微鏡に語りかけてたんですよぅ。どれだけ崖っぷちなんですかぁ」
そんな風に始まって、彼女の姉のあれやこれについて聞かされることが何度あっただろう。
まったくもう、と憂いをこめて。時にはそれはもう楽し気に。妬けるほどに楽し気に。
桜色の唇から紡がれる『お姉さま』
まったくもう、はむしろこちらが言ってもいいんじゃないだろうか。
君、どれだけお姉さんが好きなんだ。
「ちょっとロンド、聞いてるの?」
けれど顔を上げた彼女がそう言うので。
ぷりぷりと怒ったような顔で、そんなことを言うので。
あまりおもしろい話ではないのだけれども、いつも聞き手を努めている。
我ながら必死だななんて、笑えような気もするし、笑っている場合でもない気がするその日も、僕の幼馴染はやっぱり可愛い。
不憫なロンドさんが好きです。
だが今アクライが幸せそうだなあと和んでいるから心置きなく不憫なのを書いているのであってそのうち幸せイチャイチャ系を書く日が来るんだよと思うよ。どんなのも好きだから。
祭りの朝。
用意した衣装に着替えて、顔を合わせた幼馴染が言いました。
「どうやらお客様はコスプレを所望の様子ですぅ。
だからロンド。あなたももう少しいじるべきじゃないでしょうかぁ」
ああ、突っ込みたいことが色々とあるなあ。
胸に湧く何とも言えない気持ちに、アークロンドは少し眼差しを遠くした。
彼はそっと口を開く。いろいろ『言いたいこと』からとりあえずひとつ選んで、告げる。
「…『お客様』のリクエストにこたえる必要はないと思うし、コスプレ違うよ」
対するライアナはあら、と笑い、なぜかちっちと指をふる。
「そうじゃなくても。いいじゃないですかぁ」
「のりのりだねライア」
「それはどうかしら」
なにやら意味ありげに笑うライアナに、アークロンドが一歩引くより早く。
背伸びした少女が、少年の髪をかきあげる。
「ほら、こうして髪をあげてみるとか。いいじゃないですか」
銀の髪をそっと持ち上げ、ライアナは大きくうなづく。
あらわになった顔が語る『わけがわからない』という主張を無視して、大きく。
「そういうのはコスプレじゃなくて正装じゃないかな。どちらかというと」
実に満足げに胸さえ張りそうな少女に、少年はやんわりとつぶやく。
というか、近い。
とても近い。
いつもは無防備なおみ足が隠れた代わりのように、見える肌がとてもこう。近い。
とはいえ、そのくらいで赤くなるようなことは彼女との付き合いに慣れた身にはない。セクハラい幼馴染をもつ少年は色々と強い。
なのだけれども、彼は何とも複雑な気持ちになった。
君他人のことかまっているよりさあ。というような。実に複雑な気持ちだった。
そんなことを素直に口に出すのは憚られる。だからなされるがままの彼に、彼女の言葉は続く。
「キレイなお顔がよく見えて。私は好きですよぅ」
告げるのは悪戯っぽい、実に魅力的な笑顔だった。
悪戯っぽい、というよりは。彼の反応を伺うような、おもしろがっているような顔だ。
胸の中の何とも言えない気持ちが膨れるのを無視して、彼は息をつく。
朝っぱらから疲れた気もしたし、気を落ち着けるためかもしれなかった。
「遊んでないで早く行こう。段取りの説明もあるんだからさ」
「なんですかあ。真面目ですねえ。
だからですかぁ? 今あなたの髪を上げた時、こう、前より額が広くなってましたよぅ」
「それが事実だとしてもそんなことで怒らないけどさ。ライア。
君勝手に絡んでその言いぐさはないよね」
「怒ってるじゃないですか」
「あきれてるの」
じと目で見られたライアナは笑う。
楽し気に笑って、弾むように歩く。
その姿を眺める彼は、聞こうとした言葉を飲み込む。
いったい何がそんなに楽しいのか、と。
聞こうと思い、やめた。
彼女が本当に楽しいのならば、それでよい。
彼女が何を思おうと、ここにいるのならば。それで。
何度たどり着いたか知れない結論に、永久を生き得る神が笑う。
見た目相応の少年らしい、笑顔で。
コスプレ祭り最高でしたね。
ひたり、と手の平に吸い付くのは汗で濡れた肌。白い背中をすすっと撫でると、少年はむずかしがるように肩をゆらした。
「なに?」
「白くてすべすべでいいですねぇ」
「…ありがとう?」
「世界が嫉妬する肌ですぅ」
「君も似たようなものじゃない?」
くるりと向き合って、少年は少女の頬をつつく。
白く、弾力のあるそこをむにむにともむと、少女は不服そうに口を尖らせる。
「乙女に対する態度じゃありませんね」
「いつも女の子扱いしているよ? 君は可愛い女の子で、僕は男の子だからね」
「ふふ」
気取った答えに、少女は笑う。
どういう意味の笑顔なのか、少年は分からなかった。
―――分からないままでよいと、そう思っていたころの話である。
この前めっちゃせっくすしてたんだよ