一緒にお茶を飲みましょう?

 甘い甘い美味しい紅茶。

 紅い紅い命の色を飲み干して、そうしてここで眠りましょう?

策 略
 まあ、貴方だったのね。こんな雨なのに、来てくれたのね。嬉しいわ! ああ、雨宿りよね、分かってるわよ。
 さあ、座って頂戴? 冷えたでしょう、紅茶を淹れるわ。前、貴方が好きだと言っていたあれ、また手に入ったのよ。
 ほらほら、入ったわ。だから飲んでちょうだい。冷めてしまうもの。
 え? なんだか匂いが違う? はちみつをいれてみたの。悪かったかしら?
 ああ、美味しい? なら、良かったわ…本当に、良かった。
 え? だって、もう貴方がこうして私のお茶を飲んでくるなんて、もうすぐなくなると思うもの。これからは、奥さんの手料理が待ってるじゃない。
 やぁねえ、別にからかってないわよ。本当のことを言っただけよ。それなのに真っ赤になっちゃって…本当…可愛いんだから。
 え? なあに? さあさあ。どんどん飲んでちょうだい。まだたくさんあるもの。
   なぁに? ああ、体がおかしい? そう…それは大変だわ…。横になって? あら…でも、もう、動けないかしら?
 そう…それは…嬉しいわ。
 聞き間違いじゃないわよ。嬉しいわ。やっと利いてくれたの。
 ああ、ひどい顔ね…ひどい顔…でも、素敵ね。ずっとこれを見たかったの。なんて素敵かしら。
 最初はね、媚薬を手に入れようと思ったの。けど、それじゃあ駄目なの。体で繋がってもどうせ刹那のことだもの。すぐに消えてしまうでしょう?
 それに、私は貴方の体が欲しいわけじゃないもの。それが欲しかったのなら、違う毒を仕込んだわ。もっと安らかに、綺麗なまま眠れる毒を。
 だってそんなに爪を立てて、苦しいでしょう? でも、大丈夫。もうすぐ終わるもの。
 ああ…やっと触れてくれたわね。ずっと、抱きしめてほしかったのに。貴方、気づいてくれなかったじゃない。
 だから、だから。
 今、わたしは幸せよ。ねえ…

 ああ、もう、聞こえないみたいだけどね。





 あとがき
 以前、媚薬飲むと結果的に死ぬんだよな的な話を聞いて書き綴ったもの。誰かのものになる前にわたしが殺してしまうから…と言う話。